■われわれの計画は何か?その1

 1.目標を考える時の基本姿勢
  (1)ビジョンを掲げ理想を追求する
  (2)今日を基盤とし、今日手にする手段、方法、制度を活用する
  (3)万能薬は求めない。そのように安直なものは存在しえないとする

 2.目標の要件
  (1)目標は、「われわれの使命(事業)は何か」から導き出さねばならない
  (2)目標は、行動につながるものにせねばならない
  (3)目標は、資源と努力を「集中」できるものにせねばならない
  (4)単一の目標というよりは「複数の目標」にせねばならない
  (5)目標は企業の「存続」がかかっているあらゆる分野で必要になる

 3.基幹的分野の8つの目標(7つの目標と必要条件としての利益)
  (1)マーケティング
  (2)イノベーション
  (3)人的資源
  (4)資金
  (5)物的資源
  (6)生産性
  (7)社会的責任
  (8)必要条件としての利益

 4.集中についての決定〜目標設定の前提となるもの①〜
  (1)集中の決定こそ戦略の基盤
  (2)集中の決定があって初めて、「われわれの事業は何か」との問いに対する
答えも、意味ある行動に換えることができる。目的とミッションのために
働くことが可能となる
  (3)集中の決定にはリスクを伴う。これこそ本当の意思決定である
  (4)集中の決定は、市場の動向、トレンド、変化に合わせて、繰り返し検証し
ていくべき決定である
  (5)集中の決定なくしては、マーケティングの目標もイノベーションの目標
も、約束あるいはよき意図にすぎない

 5.市場地位についての決定〜目標設定の前提となるもの②〜
  (1)いかなる市場セグメント、いかなる製品、サービス、価値においてリー
ダーを目指すかを決定しなければならない
  (2)限界的存在となってはならない
  (3)限界的な存在にならないための下限は、業種によって異なる
  (4)市場において目指すべき地位は、最大ではなく最適である。市場シェアと
して担うべきは、上限ではなく最適である

 6.マーケティングの目標
  (1)マーケティングは、販売よりもはるかに大きな活動である。それは専門化
されるべき活動では無く、全事業にかかわる活動である
  (2)マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に
合わせ、おのずから売れるようにすることである
  (3)「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を考
える。「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではな
く、「顧客が見つけようとし、価値ありとし、必要としている満足はこれ
である」と言われなければならない
  (4)マーケティングに対する関心と責任は、企業のあらゆる分野に浸透させな
ければならない
  (5)マーケティングの目標項目
    ①放棄すべき既存製品・サービスは何か
    ②放棄すべき既存市場・顧客は何か
    ③伸ばすべき既存製品・サービスは何か
    ④伸ばすべき既存市場・顧客は何か
    ⑤現在の市場・顧客に必要とされる新製品・サービスは何か
    ⑥開拓すべき新しい市場・顧客は何か
    ⑦以上の目標を実現するために必要な流通チャネルはどうあるべきか
    ⑧以上の目標を実現するために必要な価格政策はどうあるべきか
    ⑨顧客が価値あるとするサービス(アフターサービス等)は何か